フォトエッチングを簡単に説明すると、素材の表面に保護膜を塗って写真原板を転写した後、化学薬品で、保護しなかった部分を腐食・浸食させ、欲しいパターンを残すというものです。
フォトエッチングを理解するために、関連する3つの用語、「フォトレジスト」「フォトマスク」「エッチング」について説明します。
まず、「フォトレジスト」は耐薬品性の感光剤のこと。
レジストは保護膜の意味で、「フォトレジスト」を塗ることで光に感応し、腐食に耐える被膜を作ります。
一方「フォトマスク」とは、ガラスやフィルム上に精密な線画やパターン描いた原板です。
写真に例えると、フォトマスクはネガフィルムの役目を果たします。
次に「エッチング」ですが、化学薬品などの腐食作用を応用して、フォトレジストで形成した耐食膜を部分的に腐食させる方法をエッチングといいます。
このことから、フォトエッチング加工のことをフォトレジストエッチング加工ともいいます。
用語を理解した上でフォトエッチングに話を戻しましょう。
フォトエッチングは精密な写真技術と化学的な腐食作用を利用した加工技術です。
従来は金属加工をするのに金型や工具を必要としていましたが、フォトエッチングの登場で、写真画像として取り込めるものは簡単にパターンを作ることができるようになりました。
CADなどの数値化されたデータだけでなく、イラストやデザイン画などもスキャナーで取り込めさえすれば、簡単に形状を再現できるのです。
対象になるのは金属にとどまらず、腐食性のある様々な素材の塑形、表面加工に応用できます。
画像が精密であれば、超精密な加工や精度にも対応可能で、精密エレクトロニクス製品に使われる極小な部品や、極薄板な部品が作成でき、微細加工、3次元加工も可能です。
その工程を大まかに説明すると
①フォトレジストを金属、半導体、樹脂などのベースになる基板の表面に薄膜状に塗布します。
②画像やパターンの原版となるフォトマスクで①を遮光し、光や紫外線などを照射し、パターンを転写(または焼付け)します
③パターンを転写したものに現像処理を行うことでマスキングします。
④腐食剤となるエッチング液を使い、不要な部分を腐食し、除去します。
⑤皮膜保護されていたパターンが残って完成です。